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Author:なめこマッハ
二匹の黒猫と共に、ほぼ毎日頑張って更新中しています。
当サイトはリンクフリーです。相互リンク募集中です。
teller.of.the.terror■gmail.com
■を@に。


当ブログの『テラーオブザテラー』ですが、12~13年ごろ前にFM福井にて23:50分くらいに放送されていた5分間のラジオドラマから取っています。
(うろ覚えなのでタイトルが正しいかわかりませんが…)

自分が録っていたテープも紛失してしまったし、ネット上でもまったく情報を見ないのでほんとにあったかどうかもわからないのですが、もし『私知ってる!』という方がいれば連絡ください。

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■引用:オカルト超常現象@2ch掲示板

1 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/19(火) 21:17:51 ID: 5RF4PxmH0 Be:
あなたが創作した・あなたが体験したオリジナルのオカルトな話を聞かせてください
あなたオリジナルのオカルトな内容であれば特に制限はありません
怖くなくてもオチが無くても全然構いません

人から聞いた・TVで見た・他所からのコピペ等は禁止です
長文を投稿する時はメモ帳等で全部書き終えてから一気に投稿して下さい
携帯からの方もそれなりの配慮をお願いします

オカルトとは心霊現象、UFO、UMA、超科学、神秘学、超能力、超心理、古代文明などのことです。
「怖い」「恐怖」「オカルト」だけではオカルトではありませんよ。。。( ̄ー ̄)ニヤリ

2 Name: 萬☆魂 ◆upRWOd1qeE [] Date: 2006/09/19(火) 21:21:10 ID: lsUQRf5H0 Be:
アチシの学校でこんなテストがありました。
問題は一問だけ。
「次のテーマを二つ以上使って物語を作りなさい。
         宗教、王室、SEX、謎」

アチシはウンウン唸って考えていたんだけれど、クラス一の鈍才と馬鹿にされ続けたとある男子はすらすらっと書き終えました。

後で彼の回答を見せてもらうと、そこにはこう書かれていました。





「女王陛下が妊娠された!おお神よ!相手は誰でしょうか?」





10 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 22:37:21 ID: VlbQoiXX0 Be:
誰も書かないようなので書いてみる
動物や赤ん坊はソッチの方にスルドイと言われるが・・・

ウチの子供がまだ3ヶ月の頃、夜中に突然泣き出した。所謂、夜泣きと言うやつだ。
いつもならオッパイをもらうまでは泣き止まないのに、その日は何もしていないのにすぐに泣き止んだ。
それどころか天井の一点を見つめてキャッキャッ言って笑い出した。
寝かしつけようと思って抱っこして歩いていてもずっとその一点を見て笑っている。
しばらくして子供はスヤスヤと眠りに入ったが、こっちが怖くなってデジカメで天井を撮ってみたが何も写ってはいなかった。

後で嫁と話したのだが、子供が怖がっていなかったので
きっと死んだおじいちゃんかおばあちゃんが孫の顔を見に来たのだろうと思う事にした。
(見にくいので>>9と>>10入れ替えています)





9 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 22:24:36 ID: h1MCa8rXO Be:
おれの実家の裏手が山なんだが、その山の奥の方に古い社がある
昔から祖父に山の奥の社に近づくなと言われてたんだが
高2の頃かな。友達のじいちゃんにある昔話を聞いて
その友達と一緒に肝試しがてら行ったことがあるんだ
その昔話って言うのが、まぁよくある迷信みたいなものなんだが
山の社には山の神さんの隠し戸があって、そこを開けると
昔の自分が見える。ただその時山の神さんに見つかると
取って喰われるって話


11 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 22:37:40 ID: eRe+JUYkO Be:
ふーやれやれ、僕はタオルで汗をふきながらいつまでも続く山道を見てた。

「はやくいくわよ、しっかりしてよ」
僕は暑い日差しのなか、彼女の軽快な足取りを見ながら肩をすくめた。

「ここよ、あの入り口につながる所は」

うっそうと繁る、藪のなか


12 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 22:37:47 ID: h1MCa8rXO Be:
で、その友達とその山に入ったわけだが、わりと道はしっかりしていて
バイクでも行けたんだ。ただ肝試しってことで夜の10時くらいに行ったから
夜道は暗く、かなり不気味だったんだ。ところどころにある外灯も余計不気味だった
んで1時間ちょい走ったころかな。山の中腹あたり。
そこで道がとぎれていて、バイクでは進むことができなくなり、仕方なしに歩いたんだ
したら、少し進んだところに、何か真新しい社があったんだ



14 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 22:56:48 ID: h1MCa8rXO Be:
おれとそのダチは、何だよこんなもんか、と若干呆れていたのだけど
ふと社の裏に回ってみるとなんか山の奥の方に向かって
苔と草にまみれた石段があったんだ。正直見た瞬間ヤバい気がした。
何か異様な雰囲気、って言うか、雑木林で石段の奥が見えないし
とにかくヤバいって思った。ダチもそう思ったらしいが、一応肝試しにきたのだから登ってみようと言いだした
この時点で夜の12時近くだったかな。外灯も途切れ、月明かりと懐中電灯のみが光源だったから
おれはマジでビビッてた。して、その石段を30分ほど登ったところで
あったよ。
マジであった。多分これが爺さん達の言ってた社なんだろうな。
柱は腐っていて、半壊状態。まわりは手入れしてないので丈の長い草で覆われていた


15 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 23:15:41 ID: h1MCa8rXO Be:
さっきのヤバいって感じが凝縮された感じ?そんなのが社のまわりには漂っていた
冷や汗がマジで滝のように出たよ。で、その時ふとダチの方を見たんだ
何かおかしかった。いや、いつもと変わらないんだけど何かおかしかった
おれは昔から直感がわりと冴える方で、何かその時ダチが一瞬いつもと違う感じがしたんだが
いや、そんなことは無いと頭の中でかぶりを振った。
で、社の前に小さい石碑みたいなのがあったんだ。
おれとダチは何書いてあんのかと見てみたわけだが
『アマツチノ~オンヲタテマツリ~ミタマヲシズム』とかよく分からないことが書いてあった
(~のとこは読めなかった。あと覚えてる文字の部分も多分あまり合っていないとおもう)
で、その文を読み終えた後、ダチが社の中を見てみようぜ
とか言いはじめた。おれはその時初めてダチのどこがおかしいか分かった。
笑ってるんだ


16 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/20(水) 23:40:33 ID: h1MCa8rXO Be:
このダチはビビりではないものの、こんな状況で笑っていられるほど、
肝が座った男でもない。マジで怖かった。して、おれが躊躇してるとダチが、
一人で社の方に 歩いて行ったんだ。おれは声も出せなかった。
そのうち社のまわりをグルグル回ってたダチが、よく分からないことをつぶやきはじめた。
なんか『どこだ?どこだ?』的なこと言ってた。
マジで泣きたかった。ダチ置いてダッシュで帰ろうかと思った。
そのまま2、3分たった頃かな。ダチが急に社の裏側に走って回った。
んで、一心不乱に土を掘る音が聞こえてきた。ざっざっざっざっ、て。
おれはもうマジで帰ろうとしたとき、ダチが言ってきた。
あったぞ、って
おれは脇目も振らず走って逃げた。何とかバイクのある場所まで走りついたとき、
ダチの叫び声が聞こえた。何かを叫んでた。唯一聞き取れたのがおれの名前だった。
おれは逃げた。ホントに怖かった。泣きながら逃げた。
ダチは数日後発見された。山の中腹の社で。
文が稚拙で申し訳ない。が、これは実話です。
ダチが何を見たのか、とかは何も分かりません。祖父は神さんに喰われたんだ、とか言ってました。
その社にもそれから行ってないです。





20 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/21(木) 01:09:35 ID: LD1D0eo/0 Be:
つい最近、本当に経験したコトなんですけども。

朝起きていつものように会社に行く準備してたら、
おかんが「まだいたの?」って言うから、
俺は「さっき起きたトコだよー。」って返した。
でも、おかん、なんか不思議そうな顔してて。
んで、どうしたー?聞いてみたら、
「や。もう30分くらい前、○○(←俺)起きてきて会社向かったんよ~・・
今日は遅くなる言って出てったよ~」って。

おかんもはじめは気味悪がってたけど、それ以上に俺がビビってたから
「あー。気のせい気のせい。なんか寝ぼけてたかな~」
とか誤魔化してたな。
とりあえず、その後は何も起きてない。
よくあるオカルト話かもしれないけど、実際に体験するとビビるなー。





22 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/21(木) 23:41:44 ID: gGu6CfXN0 Be:
俺の友達にいわゆる「見える」奴がいる。
大学の新入生歓迎会で知り合った奴なんだが、外見は至って普通。
でも、カンのよさというか、第六感が半端じゃない。
知らない道に迷い込んだ時、いきなり立ち止まって、
「この近くで猫死んでるね。」
とかさらっと言い出す。
面白がって辺り探してみたら、自販機の裏についさっき轢かれたみたいな猫の死体が
隠すように押し込められてたなんてこともあった。

「いつから見えるんだ?やっぱきっかけとかあるのか?」
ある日、喫茶店で話していたときに、冗談半分で彼女に聞いてみたことがある。
初めはお茶を濁そうとしていたんだが、俺があまりにしつこいせいか、結局折れて話してくれた。
後悔しないでね、と前置きを入れて。


23 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/21(木) 23:44:19 ID: gGu6CfXN0 Be:
------------------以下、彼女の話------------------

私が小学校3年の時にね、クラスでコックリさんが流行ったの。
私は当時はまだ「見えなかった」から、そういうの信じてなくてね。
でも、私のクラスにコックリさんに夢中になってるグループがいたんだ。
霊感があるって子が中心のそのグループは、なんかあるたんびに、
「コックリさんが当たった。」だの「コックリさんが言う通りの事が起こった」
だの言ってのよ。
私、正直嫌いだったわ、その子。

で、ある時、私とその自称・霊感少女が喧嘩になってね、コックリさんの事で。
「いる」「いない」の水掛け論だったんだけど、「証拠を見せてやる。」なんていうから、私もついのっちゃったのよ。
まぁ、本当かどうか、興味はあったし。
その霊感少女グループと私の合計4人で、コックリさんをやることにしたわけ。

放課後になるの待って、私達は屋上に向かう踊り場に行ったの。
何でもそこが校舎の中で一番いい「ポイント」らしくてね。
バカバカしいと思いながらもコックリさんの準備手伝ったわよ、使われてない机並べたりしてね。
で、いよいよ始まった。
何回か「コックリさん、コックリさん・・・おいでください」って呼びかけてる内に、
10円玉がすぅーっと「はい」に動いたの。
他の皆はコックリさんが来たって騒いでた。
その様子見てたらなんか馬鹿らしくなって、私はふざけて
「コックリさん、コックリさん、お願いですから私達に幽霊を見せてくださぁ~い」
って言ったの。10円玉は『はい』に動いた。


24 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/21(木) 23:45:12 ID: gGu6CfXN0 Be:
「真面目にやりなさい」
なんて霊感少女は言ってたけど、それ以上付き合う気になれなかったから、
10円から指を離したの、私。
いや、コックリさんやってる途中で指を離しちゃダメってことくらい知ってたわよ。
でもね、その霊感少女への当てつけのつもりで、離したの。

『バンッ!!』

指を離した瞬間、凄い音が鳴ったわ。
屋上に通じるドア、あるじゃない。鉄製の。あれが外側から思い切り叩かれた音だった。
みんなビックリしてね。放課後だし、屋上は元々立ち入り禁止だから外に誰かいるわけないし。
『バンッ!!・・・ドンッ!!』
また叩かれた。というよりは、殴りつけたみたいな音だった。
それが段々激しくなっていくの。もう何人もが一斉に叩いてるみたいな感じで、
『ドン!ドン!ドン!』
怖かった。とにかく怖かった。
でも、あんまり怖いと、映画でよくあるみたいに泣き叫ぶってしないみたいね。
目に涙一杯溜めたまま、みんな固まってた。
「逃げよう」
誰が言ったのか分からないけど、誰も反対しなかった。
扉はもう破られそうなほど激しく叩かれててね。
ドアノブなんかも狂ったみたいにガチャガチャやられてるのよ。

片付けなんかしないで、セット一式放り出して逃げてきたわよ。
何日かして先生にばれて、むちゃくちゃ怒られたけどね。


-----------------------------------------------

25 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/21(木) 23:49:40 ID: gGu6CfXN0 Be:
「・・・それだけ?」
拍子抜けした。確かにドアを叩かれるシーンでの大声には驚いたが、
それはあくまで驚きだ。恐怖とは違う。
話自体も中途半端のままだ。
「その話、なんか続きないのか。どうも中途半端だ。オチが弱い。」
だから、正直に聞いた。元々、遠慮するような間柄じゃない。
「人がせっかく話したってのに、そんな酷評をしやがりますか、貴様は・・・。」
そう言いながらもニヤニヤしている。どうやらまだオチは先らしい。

「次の日その場所に行ってみたら、コックリさんのセットは無かった。
きっと、見つけた先生が片付けたんじゃないかな。
でもね、コックリさんのルール、最後は呼び出したものを鳥居を通して帰さなきゃならないじゃない。
私達はそれをやってない。だから、あの時のコックリさんはまだ続いているのよ。」
ゾクッとした。
10年以上続くコックリさん。
呼び出されたものは何処に行ったのか。


26 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/21(木) 23:50:24 ID: gGu6CfXN0 Be:
「あ、だったらさ、その時の面子集めて、またコックリさんやればいいんじゃないか?
それで帰ってもらえば、万事解決だろ。」
・・・それは無理、と彼女は言った。
「だって、私以外もう死んじゃってるんだもん。」
絶句した。
固まってる俺を気にもせず、彼女は続けた。
「死に方は事故だったり自殺だったり、色々だけどね。
結局、一番最初に指を離した私だけが今のところは無事。
さて、私はそろそろ行くけど、嫌な話させたんだからここ奢りなさい。じゃ、またね。」

俺は何も言えなかった。自分のせいで死んだかもしれないクラスメート。
思い出したくも無いだろう話を俺は彼女にせがんだ。
激しく後悔していた。
一言謝ろう。そう思って顔を上げると、彼女と視線がぶつかった。
店を出る準備をしていた手を止めて、彼女は俺を見ていた。
「するなって言ったのに、後悔してるみたいね。」
頷く。
すまん、と言う前に彼女が続けた。
「じゃ、後悔ついでにもう一つ。
私ね、小学校までは垂れ目だったのよ。」
自分の眼を指差して、彼女は笑っていた。
呆気にとられて固まっていると、彼女は軽い調子で「そんじゃね」と店を出ていった。

10年以上続くコックリさん。
呼び出されたものは、目の前にいたんだろうか。

彼女は吊り目だ。






31 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/22(金) 15:03:35 ID: svxU4UPp0 Be:
大学2年の夏、俺は友人達と一緒に海に遊びに行っていた。
友人の一人が穴場を見つけたらしく、そこに仲間を誘って出かけた。
穴場というのは本当のようで、時期が遅かった事を差し引いても、
その海岸にはほとんど人がいなかった。

「泳がんのか?」
ひとしきり海で騒いだ後、ビーチパラソルの下で
陸に揚げたクラゲみたいになってる奴に俺は声をかけた。
「・・・・・・。」
「返事が無いようだが、ただの屍か?」
「・・・うるさい。」
どうやらまだ息があるらしい。
横においてあるクーラーボックスから冷えたウーロン茶を二つ取り出して、
片方を腰くらいの高さからそいつの腹にめがけて落とす。
腹に当たる直前にそいつは缶を見事にキャッチした。
左腕で自分の目を覆ったまま。
相変わらずの勘の良さだ。

「打ちひしがれる乙女に対してのこの仕打ち・・・まさに外道ね。」
気だるそうに起き上がりながら、俺を咎めるような目つきで見ている。
「俺のジェントリズムが分からないとは、まだまだ修行が足りんな。
・・・日に当たってないとはいえ、水分摂らんと熱中症になるぞ。」
反論する気力も無いのか納得したのか、そいつは黙ってウーロン茶を飲み始めた。
遊びまくって疲れていた俺は、そいつの横に座って同じように缶を傾ける。


32 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/22(金) 15:04:48 ID: svxU4UPp0 Be:
「で、泳がんのか?」
黙っていても何なので、最初の質問を繰り返す。
「海、嫌い。」
いつもの饒舌さとは正反対の簡素な返事だった。
横目で見ると炎天下の犬みたいなやりきれない表情をしている。
「まぁ、暑いしな。北国育ちには辛いだろうよ。」
うん、と曖昧な返事。
会話が続かない。
辛い奴と無理に話すこともないか、と俺は口を噤んだ。
ぼーっと海を見る。
友人達がハシャいでる。結構遠くまで行っているにも関わらず、
黄色い声がここまで聞こえてくる。
「あのさぁ・・・。」
ぽんっと沸いたような言葉に少し驚いて、横を見た。
彼女が真剣な顔をしてこっちを見ている。
「今、見える範囲に何人の人間がいる?」
この目、この調子…来た、と思った。

俺の横に居るこいつは、異界の者が「見える」。
俺もそういった話が嫌いじゃないから、こいつにそういった話をせがむこともあるが、
一回も見たことなんてない。
でも、いるかいないかと聞かれれば「いると思う」と答える。
俺はそんな曖昧な立ち位置だ。


33 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/22(金) 15:05:33 ID: svxU4UPp0 Be:
「見える範囲で…俺らのグループが6人で、あっちの家族連れが3人。
釣りしてるおっさんが1人と・・・お前を入れて11人だな。」
周囲をグルッと見回しながら、俺に見える人数を彼女に告げた。
リアクションは、そっか、の一言だけ。
それだけを言って、彼女は黙っている。
「で、お前は何人見えてるんだ?」
沈黙に耐え切れなくなって、俺は聞いた。
質問に答えず、彼女はウーロン茶を飲みこむ。
コクッと小さい音がして、そこだけ別の生き物みたいに艶かしく喉が動いた。
ウーロン茶を飲み干し、ぷはぁっ!とオッサンくさい息を一つ吐いて、
「10人。」
短く答えた。

「…は?」
こいつのことだ。きっと1人か2人多く見ているんだろうと思って身構えていたのだが、
あっさりと予想を裏切られた。
慌ててもう一度周囲を見渡す。
さっきより遠くに行って見にくいが、俺の友達は全部で6人。間違いない。
ずっと砂浜で子供と遊んでる家族連れは3人。間違いない。
少し離れた防波堤で釣りをしている黒服のおっさんが1人。これも間違いない。
ここまでで10人。
俺は11人目に目を視線を移した。
相変わらず熱でやられた顔をしているが、目だけは輝いている。
一番怪しいのはこいつだ。何か怪異があるとしたら、こいつに違いない。
俺は少し後退った。


34 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/22(金) 15:06:11 ID: svxU4UPp0 Be:
「…私ゃ生きてるってば。」
確かに目の前にくっきりと見えていて、話している奴が幽霊だなんて信じたくもない。
改めて周囲を見渡す。
11人だ。間違いない。
となると、
「貴様、騙したな…?」
答えはこれしか考えられない。
こいつの語りは信じ込ませる力があるから怖い。
何も答えない彼女を軽く睨んでいると、友人達がドヤドヤと浜に上がってきた。
皆一様に楽しそうに疲れている。いいことだ。

1泊して次の日に帰る予定だったので、その後は予約していた旅館に全員で移動した。
移動している最中も、俺はなんとなく割り切れない気持ちで一杯だった。

俺の知る限り、彼女は怪異に関して嘘をついたことが無い。
もしかしたら嘘でも、それは本当だと信じることができる力強い嘘だった。
それが今回は違った。そのことが何となく悔しく、不愉快だった。


35 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/22(金) 15:06:51 ID: svxU4UPp0 Be:
旅館の飯はまぁまぁだったが、そんなことは関係ない。
要は盛り上がればそれでいい。
そのうち酒も入り、花火をしようということになった。
俺は弱いくせに罰ゲームで何杯か飲まされてヘロヘロだったが、花火はやりたい。
思い通りに動かない身体を引きずって皆についていった。

昼間遊んでいた海岸の脇で、花火を始めた。
俺も混じりたかったが、酒のせいで気分が悪く、テトラポッドに腰を降ろして、
皆が花火遊びに興じる様子をボーっと見ていた。
「やられてるねぇ~。」
背後からの弾んだ声に振り返ると、彼女が立っていた。
酒のせいで具合が悪かったことと昼間の出来事を思い出したことで、
俺はそっけない返事だけを返して彼女から視線を外した。

「何不貞腐れてんのよ?」
彼女はそう言いながら、俺の横に腰を降ろした。
「別に…酒で具合が悪いだけだ。放っとけ。」
「昼間の事、気にしてる?」
ドキッとした。
こいつの勘の良さには敵わない。
「まぁ、な。何で騙した?」
俺は正直に答えた。
「別に騙してなんかいないよ。ただの視界の問題。」
種明かしをする子供みたいに楽しそうに、彼女は言った。


36 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/22(金) 15:08:20 ID: svxU4UPp0 Be:
「視界?」
「そう、視界。あの時『見える範囲で』って言ったでしょ。
釣りをしていたあのオジさん、あの時はあんたがいたから
私からは死角になって見えなかったのよ。
だから、私から『見える範囲』の人数は10人!」
馬鹿らしくて少し笑った。
そんな簡単なことだったのか。
俺が勝手に幽霊だ何だと結びつけて、勝手に凹んでただけか。
少し、気分がよくなった気がした。

「でもね、皆が来て移動する時に、私、何気なくあのオジさんの事見たの。
死角が無くて、あの時海岸にいた全員を見渡せる状態でも、私の答えはやっぱり10人。」
「は?お前、何言って・・・」
「海水浴場からあんな近いところで、釣りをする人いる?いないでしょ。
だいたい、海水浴場は釣り禁止。
それに、この夏場の直射日光の下で、黒の長袖着て釣りする人いる?」

まくし立てる彼女を、俺は呆然と見つめていた。
冷静に考えてみて、そんな奴いるわけない。
何も言えない俺にニッと笑顔を見せて、
「10人!」
彼女は改めて宣言した。






40 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/25(月) 02:55:05 ID: j4lr/dkY0 Be:
一度、例の「見える」彼女と俺を含めた8人で、百物語をやったことがある。
言い出したのは、俺でも彼女でもない。
別の友人が集まって騒ぐ口実に言い出したものだ。
最初は参加を渋っていた彼女も、講義のまとめノートを条件に強引に参加させた。
開催場所は俺の部屋。

結論から言うと、この百物語自体は大したものじゃなかった。
どこかで聞いたような話がたどたどしく話される。
途中で誰かのメールが鳴ったりして、雰囲気もぶち壊しだ。
俺はすっかり白けていた。
俺の順番がきて、その時覚えていた稲川淳二の「先輩の鳩」を話す。
話し終わって皆を見渡す。どうやら自分の想像以上に効いたらしい。
皆顔を強張らせて、黙っている。
蝋燭の火がじじっと音を立てて、揺れた。
彼女の番が来る。
薄暗い部屋の空気が少し重くなった気がした。

一息吸って、彼女が話し出す。

41 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/25(月) 02:55:49 ID: j4lr/dkY0 Be:
「ある時ね、友達皆で集まって、宴会をしようってことになったの。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、その宴会はお開きになった。
宴会場所を提供していた家主は、片づけを終わらせた後、
シャワーを浴びることにしたの。」
話している彼女に視線を向けた。
蝋燭の明かりを見つめながら、表情を変えずに滔々と喋り続けている。
「彼はシャワーを浴び始めた。髪を洗う。顔を洗う。身体を洗う。
その光景をじっと見ている女がいるの。
浴槽の中にうずくまって、彼のことをじぃっと見ている。
何も喋らず、微動だにしないで。ただ、じぃっと家主を見ている。」

「彼は結局、最後まで彼女に気付かなかったわ。そのままシャワー室を出た。
彼はきっと、今でもその浴室を使っているんじゃないかな。」

彼女は話し終えてふぅっと息を吐いた。
蝋燭の火が吐息で揺れて、消えた。
真っ暗になった部屋の中、俺は立ち上がり、電気を付けた。
眩しすぎる光に目を細めながら、彼女を見た。
彼女はこっちを見て、微笑を浮かべていた。

その後、友人達は近くの公園に遊びに行くと言って部屋を出て行った。
むしろこっちが本命だったのだろう。
さっきまでの怪談話もそっちのけで盛り上がっている。
俺は彼女の話が気になっていた。


42 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/25(月) 02:56:33 ID: j4lr/dkY0 Be:
「お前の話に出てきた家主、結局最後まで女には気付かなかったんだろ。
だったら、それが話として残るわけがないんだ。
家主が気付いていないんなら、それは単なる日常のワンシーンで終わるはずだ。」
機を見て友人達と少し離れ、俺は彼女に聞いてみた。
うん、と彼女は一つ頷く。
「でもね、本人が気付いていない場合でも、話として残る場合があるの。
さて、それはどんな状況でしょう?」
「・・・周囲の人間が見た場合、か?」
「正解。」
つまり、さっきの話は家主ではなく、語り部である彼女が見た光景と言うことになる。
それにしたって、彼女の話にしては、怖くない。
少し残念だったが、彼女だってあのぬるい百物語の中で
真面目に話そうって気にはなれなかったんだろう。
そう思って、俺は納得した。
「・・・・・・怖い話ってさ、誰が一番怖いと思う?」
が、どうやら話はまだ終わらないらしい。

「誰がって、聞いてる奴じゃないのか?
話している奴は落ちとか知ってるから心の準備が出来ているだろうし。」
これ以上話を聞くと、怖い目に遭うと分かっていても、俺は答えていた。
好奇心もあるが、なにより、彼女の話が逃げることを許さない。
いつもそんな感じだ。
「外れ。正解は『その話の登場人物』
話を聞いたって他人事だけど、当事者にとってみればたまったもんじゃないでしょ。」
「そりゃそうだが、それとこれと何の関係が?」
「私は『怖い話』しろって言われた。だから"私"は、怖い話をしたの。」
答えになっていない。
だが、聞いた瞬間、なんとなく分かってしまった。
家主=彼なんじゃない。
家主=うずくまっている女だったんだ。
そして、その女は、おそらく目の前にいるこいつなんだろう。


43 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/25(月) 02:57:50 ID: j4lr/dkY0 Be:
こいつはきっと怖かったんだ。
身近にそういった世界がありすぎる彼女は、
自分がそっち側に行ったんじゃないかと恐怖したんだろう。
だから、自分が幽霊みたいに聞こえる話をしたに違いない。

「それにしても、アホな男だな。
シャワー浴びようとしてたってことは、その女は裸だったんだろ。
全裸でうずくまっている女がいるのに気にも留めなんてな。
俺なら凝視するぞ。」
だから、俺は馬鹿にした。
初めて彼女のしてくれた話を鼻で笑った。
殊更「凝視する」を強調して言ってやった。
彼女はポカンとした表情を浮かべて俺を見ていた。

俺の言いたい事が伝わったんだろうか。
彼女は微妙な笑顔を浮かべながら、色々と文句を言ってきた。
彼女の罵詈雑言を聞き流しながら、俺達は騒ぎ続ける友人達の方に歩き出した・・・・・・。


44 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/25(月) 03:01:52 ID: j4lr/dkY0 Be:
と、ここまでだったら「俺、いい人」で話は終わっていた。
実はこの話、後日談がある。

百物語からしばらく経ったある日、彼女が俺を訪ねてきた。
なんのかんのと雑談して、彼女は帰った。
いつも怪異について話しているわけじゃない。むしろ、こっちが普通だ。
ただ、帰り際に彼女が、
「この前の怖い話、もう一回考えてごらん。」
とニヤつきながら言った。

一人になって考える。別におかしなところは何もない。
・・・待てよ。
彼女の性格上、たとえ不安でもそれを人に話すような真似はしない。
となると、やっぱり彼女が見た光景ってことになる。
しばらく考えて、嫌な仮説に行き当たった。

怖い話ってのは、あくまで誰かに聞かせるためのものだ。
語り部にとって怖い話をしても、周りの人間にその怖さは100%は伝わらない。
他人事だからだ。
100%の恐怖を味あわせるには、聞き手が話の主人公である必要がある。
彼女はそれを理解して、その上であの話をした。
つまり、彼女がした怖い話の登場人物は、
あの時百物語に参加していた彼女以外の誰かってことになる。
そして、彼女に「怖い話をしてくれ」と頼んだのは、俺。

もしかして・・・
家主=俺?

ぴちょん、と一つ、浴室から水音が聞こえてきた。





53 Name: 50 [] Date: 2006/09/28(木) 03:39:48 ID: kn+tf40h0 Be:
で、こんな時間に起きちまって眠れないので、小話を一つ。
見える彼女とは関係ない不思議体験。

大学に入って仲良くなった奴の一人に、大の心霊好きがいた。
どうやら類は友を呼ぶ、とは本当のことらしい。
俺もそう言う話が嫌いじゃない。同じ匂いがしたんだろう。
そいつは事あるごとに「心霊スポットに行かないか?」と俺を誘った。

ある時、そいつの心霊スポット巡りに参加したことがある。
例の「見える」彼女も誘ったが、
「いけす持ってる人間が、趣味でもないのにわざわざ漁に出る?」
と爽やかに断られた。

心霊スポットに着いても、何も起きない。
拍子抜けだ。夜の夜中に駆り出されて、成果無し。
薮の中に分け入ったりして、蚊に刺された程度だ。
見渡すと、全員がつまらなそうな顔をしている。
結局何も起きないまま、心霊スポット巡りはお開きになった。

「お前、約束すっぽかすなよな。」
数日後、その時一緒に心霊スポットに行った友人が奇妙なことを言い出した。
何のことだ?と聞いても、呆れたように返答もしてくれない。
気になったので、心霊スポットに行った他の友人達に話を聞くと、
どうやらその日、俺は約束の待ち合わせ場所に現れなかったらしい。
電話をしても繋がらず、他の友人達だけで心霊スポット巡りを行った、と。

全員で俺を担いでいるんだ、と思っていた。
でも、友人達が心霊スポットで撮った写真に、俺の姿は無かった。
俺はあの夜、一体誰と心霊スポットを回ったんだろう。
虫刺されの跡をボリボリ掻いても、答えは一向に出なかった。






57 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/30(土) 01:46:25 ID: yrCh3inb0 Be:
俺があいつと初めて会ったのは、大学生の新入生歓迎会の時だった。
その年入学した同じ学部の新入生全員を集めて、ホテルの宴会場でやる立食パーティー。
簡単に言えば、学校主催の合コンみたいな感じだ。

俺はその歓迎会の一週間ほど前から、体調がよくなかった。
朝起きた時から疲労が酷く、頭が重い。
熱が一向に出ないにも拘らず、背筋を蟻が這い回るような寒気に襲われたりする。
季節の変り目だから風邪でも引いたんだろう、と深く考えてはいなかった。
実際、活動する分にはまったく問題はない。
一人暮らしを始めたばかりでバイトも決まっていないから、体力を使うこともない。
放っときゃ治るだろ、と軽い気持ちでダラダラと日々を過ごしていた。
ところが、歓迎会の日が来ても、体調は一向に良くならなかった。
それどころか、頭の重さは徐々に増し、寒気も頻繁に感じるようになっている。
もしかしたら風邪なんかじゃなく、もっと厄介な病気かもしれない。
そう思えるほどに、症状は悪化していた。


58 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/30(土) 01:48:18 ID: yrCh3inb0 Be:
歓迎会当日。
休めばいいのだが、先払いした参加費がもったいない。
そんな貧乏根性から俺は歓迎会に参加していた。
気分が悪い。楽しもうにも楽しめない。
余興として貰ったビンゴカードに穴を開けながら、
会場の端にある椅子に力なく腰を下ろしていた。
「さぁ、どんどん行きましょ~。お次はぁ・・・・・・Bの6番でぇす!!」
あ、俺、ビンゴしてる。
気だるそうに手を挙げて、ビンゴを宣言した。
自分でも分かるくらい覇気が無い声だった。
「おや、ビンゴした人、いるみたいですねぇ~。さぁ、こちらにどうぞ~。」
舞台の上に招かれる。簡単な自己紹介をした後、商品を選んだ。
A~Zまでのアルファベットの書かれた箱が、舞台の上に置いてあり、
選んだアルファベットが書いてある箱の中にある賞品を貰える、という仕組みだ。
Dを選んだ。正直、賞品などなんでもいい。
スポットライトが眩しい。気分が悪い。早く舞台から降りたい。
司会者がおおげさなアクションで、Dの箱を開ける。
中には紙が一枚入っていて『うまい棒』と書かれていた。
「おめでとうございます!!賞品はうまい棒でぇす!!」
舞台の脇からスタッフが巨大な物体を持ってきた。
ドンキホーテとかで売っている、うまい棒の詰め合わせだ。
ちょっとした抱き枕くらいある。
嬉しくない。デカ過ぎるし、気分が悪い時にうまい棒なんて食えない。
微妙な表情で賞品を受け取り、舞台を後にする。
「お帰りはあちらからどうぞ~。」
司会者が舞台端の階段を指差すが、そこまで行くのも面倒くさい。
舞台の高さは50㎝くらいしかないから、舞台端まで行かず、途中で飛び降りた。

舞台から飛んだ瞬間、足首に強い負荷がかかる。
まるで誰かに思いっきり足首を掴まれた様な、そんな感じだった。
叫び声を上げる間もなく、俺は舞台の下に落ちた。
抱えていた巨大なうまい棒が、大量の「うまい粉」に変化した瞬間だった。


59 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/30(土) 01:49:41 ID: yrCh3inb0 Be:
落ちた後、急いで舞台の上を確かめる。
コードか何かに引っかかったのだと思っていたが、
俺の飛び降りた場所にそんなものはなかった。
心配そうに駆け寄ってくるスタッフに、大丈夫です、と笑顔を見せた。
痛む膝を撫でながらさっきまで腰掛けていた椅子にまた腰を下ろし、
何をするでもなく、ぼんやりと司会者の声に耳を傾けていた。
ふと、視線を感じた。

周囲を見ると、女が真剣な顔で俺を見ていた。視線の主は彼女らしい。
外見は至って普通だが、なんとなく周囲の人とは雰囲気が違う。
目が合う。女が目を逸らす。
何となく気になった。別に俺に気があるとかじゃないようだ。じゃあ、なぜ俺を見る。
俺はその女の方に歩いていった。
あからさまに「うわっ、こっち来た。」って顔してやがる。
俺はそ知らぬ風に、そいつの近くのテーブルに置いてあった
フルーツポンチをすくって、食べた。
生まれてこの方、知らない女に声をかけたことなんかない。
とりあえず声をかけなきゃ。全てはそれからだ。
自然な会話の切り出し方を考えて、俺は言った。
「食べる?」
女はキョトンとしてる。そりゃそうだ。
見ず知らずの男にフルーツポンチ薦められてみろ。誰だってヒく。

軽く謝って、自分の名前を告げた。彼女も自分の名前を教えてくれる。
ちょっと珍しい苗字だったので、しばらく苗字や出身地の話で盛り上がった。
その間、彼女はずっと微妙に頬を引きつらせていた。
やっぱり警戒するよな、とか考えながら、こっちを見ていたことに話題を変えた。
「さっき目合ったけど、もしかしてなんか見えた?
いや、さっき転んだ時、誰かに足を引っ張られたような感じがしてさ。」
目の前の女が幽霊とか信じていなかったら、ただの自意識過剰の変な奴だ。
彼女はしばらく困ったように唸っていたが、唐突に顔を上げて、俺を見た。


60 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/30(土) 01:51:48 ID: yrCh3inb0 Be:
「正直言うと、かなり見えてます。」
驚いた。現在進行形だ。そりゃ頬も引きつる。
返答に困っていると、「付いてきてください」と彼女は歩き出した。
素直に付いて行く。着いたところは人気のないロビーだった。

「え~と、まず最初に、私が「見える」って事を誰にも言わないでください。
次に、ちょっと変なことするけど、気にしないでください。
最後に、この事が済んだらもう私に関わらないでください。」
俺の目をじぃっと見て、矢継ぎ早に言う。
小さく頷くと、彼女は後ろに回って、俺の背中に手を置いた。
もしかして変な奴に声をかけちまったかな、と思い始めたとき、
「もういいですよ。」
と声がして、彼女がゆっくりと手を離した。
振り返って彼女を見る。驚くほど青い顔をしていた。
「だ、大丈夫・・・?やたらと顔青いけど・・・。」
大丈夫、大丈夫、と手をひらひらさせている。
とても大丈夫そうに見えないので、近くにあったソファーに座らせた。
彼女は目をつぶって、気分の悪さに耐えているようだった。

「ねぇ、俺に憑いてたのって、何・・・?」
声をかけるのも悪いかと思ったが、どうしても気になる。
「ヒルコ、っていっても、分からないか。」
ソファの背もたれに身を預けたまま、彼女が答えてくれた。
随分と受け答えがぞんざいになっているが、こっちが素だろう。俺は気にせず答える。
「いや、一応知ってる。イザナギとイザナミの最初の子供だろ。
人の形をしていなかったから、流されたってやつ。ってか、そんなものが憑いてたのか。」
神話やオカルトは大好きだ。そっち系の知識は少なからず持っている。
「詳しいねぇ。まぁ、ヒルコっていっても、私が適当にそう呼んでいるだけだから。
色んなものが一杯集まって、もう人の形をしてないの。だから、ヒルコ。
見た目的には、真っ黒い肉の塊。あんなの連れてたら、そりゃ具合も悪くなるでしょ。」
頷く。そういえば、今は気分がいい。頭の隅に重さは残っているが、寒気は消えていた。
俺は初めて「見える」奴に出会った事で有頂天になっていた。


61 Name: 本当にあった怖い名無し [] Date: 2006/09/30(土) 01:54:55 ID: yrCh3inb0 Be:
「そういやさ、お前、祓えるんだな。すごい力持ってるのか。」
純粋な感心と、少しの興味を込めて、俺は言った。
「祓えないよ。私ゃ神職じゃないし。」
予想外の答えだった。
「いや、だって、俺に憑いてたヒルコ祓ってくれたんだろ。今、かなり気分楽だし。
・・・・・・もしかして、まだ憑いてる?」
ひらひらと手を振る。どうやら憑いてはいないらしい。ほっとした。
「元々ね、お祓いって女には向かないの。
男は放つものだけど、女は受け止めるものだからねぇ。
神降とか降霊は女の方が向いているんだけどね。祓の儀式は男の方が断然得意なのよ。
才能と修行次第じゃ出来るようになるらしいけど、私は無理。そういう家系でもないし。」
なるほど、それは納得できた。
「んじゃ、俺のヒルコはどうやって・・・?俺にはもう憑いてないんだろ?」
彼女はもういいでしょ、という顔をしているが気にしない。
言わなきゃ動かないということが分かったんだろう。渋々といった様子で話してくれた。

「言ったでしょ、女は受け止めるもの。あんたのヒルコを私が受け止めたの。」
愕然とした。俺は自分の背負っていた荷物を目の前の彼女に背負わせてしまったらしい。
それでさっきから気分が悪いのか。除霊して疲れているものだとばかり思っていた。
「す、すまん。戻してくれても構わないから。お祓い行って、何とかするから。」
本気で言った。彼女は力なく笑う。
「もう遅いって。水は高い方に流れない。
だいたい、あそこまで大きくなったヒルコを祓える人間なんていないよ。
あのままだと、いつかあんたもヒルコの仲間入り。」
そんな大層なものを背負っていたなんて知らなかった。
「でも、このままだとお前が・・・」
死ぬんじゃないか、と言う前に彼女が言った。
「私は大丈夫。死なないから。」
何が根拠かは分からないが、彼女の目を見た瞬間「あぁ、きっと大丈夫だ」と思ってしまった。
強い意志を感じさせる目。こいつなら大丈夫だ、と思わせてくれる目だった。

結局、彼女と交わした3つの約束のうち、一番最後は守られないまま、今に至っている。



一個一個が長いので複数に分けます。
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